裏磐梯の植物

研究者や達人の目にうつる裏磐梯の魅力とは?

裏磐梯の植物について、黒沢先生に語っていただきました。

>>「裏磐梯植物図鑑」:学生さんの試作ですが、こちらも参考になります

【湖岸では足元の地味な草も絶滅危惧植物】黒沢 高秀

■プロフィール■くろさわ・たかひで
福島大学共生システム理工学類准教授。1965年東京都生まれ,千葉県船橋市育ち。大学,大学院,オーバードクターの 12年間仙台暮らし。博士(理学)。専門は植物分類学・生態学で特にアジア産トウダイグサ科植物の分類。地域の植物に関心があり,福島県植物研究会のメンバーらとともに調査,研究を進めている。分担執筆に『日本の帰化植物』(トウダイグサ科),山と渓谷社『絶滅危惧植物図鑑レッドデータプランツ』(ノウルシなど)他。翻訳に朝倉書店『ヘイウッド花の大百科事典』(編訳)他。裏磐梯への本格的関わりは2004(平成16)年度から。なので,裏磐梯に関しては,達人というより,新人。


裏磐梯に来たら,桧原湖でも,秋元湖でも構いません。ぜひ湖岸(もちろんコンクリートなどで護岸のされていない,あるいは急な崖ではない)に降りてみて下さい。場所としては,こたかもりキャンプ場周辺,ママキャンプ場周辺,金山遊歩道,早稲沢浜(以上桧原湖),秋元湖キャンプ場周辺(秋元湖)などがお勧めです。

ヤナギ類などの藪を抜けると,湿った茶色の土を淡く黄緑に染めるように小さな植物たちが広がり,所々水たまりがあり,その先に大きな湖が広がっている,そんな風景が広がります。これは,いわゆるエコトーン,つまり陸域生態系から水域生態系へなだらかに移り変わって行く場所です。本来ふつうにあったエコトーンも,人間による自然改変のため普段生活している場ではほとんど見られなくなりました。裏磐梯は,高山でも北海道の東部でもないのに,このような場所が当たり前のように残っている貴重な場所です。

足元に生えているものの中にはミズニラやタチモ,水たまりや浅瀬にはイトイバラモやヒロハノエビモ,エゾノヒルムシロ,セキショウモなどがあります。いずれも環境省や福島県が指定する絶滅危惧植物です。え,雑草のようにワサワサ生えているのに,と驚かれるかもしれませんが,そのことが,かえって裏磐梯の価値を証明しています。

■お勧めの本■

ふくしまの水生植物」薄葉満・著、歴史春秋社、 2002年9月発行

福島県の水生植物やその保全についてのわかりやすい解説です。最新の情報を含み,かつ正確で,専門家からも評価が高い本です。裏磐梯の水生植物についてもページが割かれています。

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