人とクマ

研究者や達人の目にうつる裏磐梯の魅力とは?

ここでは、裏磐梯をフィールドとして研究活動をしている方や、○○名人!、○○達人と噂される方々から見た裏磐梯の魅力をそれぞれの視点から語っていただきました。

【人とクマ】 今野万里子

2006年、福島県ではツキノワグマ(以下クマ)が人里に出没する事態が頻発し、432頭(2007年1月現在)のクマが駆除されました。例年は100?200頭で推移している有害鳥獣駆除数に比べるとかなり多く、11月15日の狩猟解禁以降に、県から猟友会へ狩猟自粛のお願いが出されたほどでした。

クマは 2年に一度、2頭の子グマを出産すると言われています。それも、秋の実りであるドングリやクリをしっかり食べて、十分な脂肪を蓄えられたときしか出産できないので、増えやすい動物ではないことは確かです。

福島県を含む東北地方は、九州や四国に比べると生息数は多いと考えられていますが、このままのペースで駆除が進めば、いつかは絶滅してしまうかもしれません。

クマが人里に出没する理由としては、

1)山にクマの食べ物となる物がなくなった
2)農作物やゴミなど人の食べ物をクマが自分の食べ物と覚えてしまった
3)狩猟されることが少なくなり、人を恐れなくなった
4)山と里との緩衝帯であった里山が荒れ、山から下りてきやすくなった

など、様々な要因が挙げられています。
では、人里へのクマの出没を減らし、駆除に歯止めをかけるために、私たちにできることは?山にクマの食べ物となる木(ドングリやクリ)を植える活動も一つです。
ですが、もっと身近なところで私たちにできることがあります。

それは、人の食べ物をクマの食べ物と思わせないことです。
裏磐梯にも 19のトレッキングルートがあり、皆さん自然を楽しみに訪れることと思います。その際、お弁当などのゴミを「ポイ捨て」したりしない、それだけでもクマが人の食べ物を自分の食べ物と覚える機会を減らすことができるのです。

そのようなマナーが私たち人間も自然を楽しみつつ、クマも暮らしていける環境への配慮であり、共存への『一歩』なのだと考えます。

■お勧めの本■

人はクマとともだちになれるか?

児童文学作家である太田京子さんが、ピッキオの深夜巡回などにも同行し密着取材の末に書き上げた、小学生向けの書籍です。人とクマとの軋轢の問題をわかりやすく取り上げています。

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